2024年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
ひとりごと
代弁者もとい省エネを求めてえっくす(仮)をさ迷うな
ひとりごと
理也くんがめぐみさんへの想いを再確認する話を描きたい
理也くん→めぐみさんの尊敬の情って肝要な気がする
理也くん→めぐみさんの尊敬の情って肝要な気がする
悋の小花(理めぐ)
#月影の鎖
朝から霧のような小雨が降っていたから。月のものが近いから。最近忙しくて少し疲れていたから、とか。
牛乳屋の店先で、言葉を交わす理也と女性の様子がやけに親しげに見えて、心臓のあたりが急に冷え込むような心地がした。些細なことにつまらぬ嫉妬をくすぶらせた言い訳を、昏々と脳裏で並べながら、めぐみは自分が情けなくなって近くの路地裏へ逃げ込んだ。
あくまで遠目に見たかぎりだから、理也に見咎められていないことをめぐみは祈った。自分の醜いところなど、今まで彼の前で晒したことは数知れず――とはいえ、それでも羞ずべきだとめぐみは胸もとをきつく握り締めた。たかが、話していただけではないか。この気持ちを明かせば、少なからず理也を縛ってしまう。
(それは、駄目)
項垂れながら首を横に振る。
でも、と一片の感情が明滅する。このままやり過ごせることを祈る一方で、見つけてほしい、とも思っている。ちょうど袖の裾で、顔を覆った時だった。
「……こんな暗い所に入り込んだら、危ないですよ」
聞き慣れた、低く柔らかい声が薄暗い路地裏に舞い込んできた。せめて何でもない風に取り繕えたら良かったのに―― 袖で覆った顔の、その目尻には薄く涙が滲んでいた。
路地裏に身を潜めた女が何を考えていたのか、下手に語るより雄弁な有り様ではないか。めぐみは咄嗟に理也に背を向ける。
「ねえ、めぐみさん」
名を呼ぶ声に戸惑いは無かった。理也の声色は、あたかも全て分かっていると言わんばかりの深さを湛えていた。
理也はすっかり小さくなっためぐみの両肩にそっと手を置く。理也の体温を近くに感じ、めぐみの頬が知らず熱を持つ。しかし、理也を見返る勇気は持てずにいた。
「遠目に貴女を見つけて、すぐに切り上げて貴女を追ってきたんです」
「そう、……なんですか」
理也にも、理也と話していた女性にも申し訳なくなって、相槌はぎこちなく震えてしまった。
「最近はね、少し淋しく思っていたんです」
(え、)と、思わぬ言葉にめぐみは思わず顔を上げる。落ち着いた声で理也は続けた。
「俺が誰と話していても、平然としていることが増えて……それはそれで、俺への信頼が感じられるようで嬉しかったんですよ」
―― 本当ですよ?
悪戯っぽく微笑む彼の表情が想像できて、めぐみは振り返りたくなったが、涙に濡れて赤らんだ顔を見られたくなって何とか堪えた。
細い肩の形を確かめるかのように、両手で宥めるように撫でながら、理也は語る。
「でもね、久しぶりにめぐみさんの可愛いやきもちが垣間見られて、不謹慎ですけど、少しだけ……嬉しくなってしまいました」
とうとう堪えられなくなって、めぐみは理也へと向き直る。理也は桔梗色の目を優しげに細め、ただただめぐみを見つめていた。その頬は淡く紅潮しているように見えたけれど、雨上がりの夕空のせいかもしれなかった。
「ひどいひと……」
「……すみません」
言葉とは裏腹に理也は悪びれることなく朗らかに笑い、めぐみの両手を取る。互いの息が触れそうな距離まで身を寄せると、小首を傾げながら、めぐみに囁いた。
―― 許してもらえますか?
ずるいです、と。
微かな喜びを含んだ、女のささやかな訴えは、重なった二つの唇の奥に溶けて消えていった。
朝から霧のような小雨が降っていたから。月のものが近いから。最近忙しくて少し疲れていたから、とか。
牛乳屋の店先で、言葉を交わす理也と女性の様子がやけに親しげに見えて、心臓のあたりが急に冷え込むような心地がした。些細なことにつまらぬ嫉妬をくすぶらせた言い訳を、昏々と脳裏で並べながら、めぐみは自分が情けなくなって近くの路地裏へ逃げ込んだ。
あくまで遠目に見たかぎりだから、理也に見咎められていないことをめぐみは祈った。自分の醜いところなど、今まで彼の前で晒したことは数知れず――とはいえ、それでも羞ずべきだとめぐみは胸もとをきつく握り締めた。たかが、話していただけではないか。この気持ちを明かせば、少なからず理也を縛ってしまう。
(それは、駄目)
項垂れながら首を横に振る。
でも、と一片の感情が明滅する。このままやり過ごせることを祈る一方で、見つけてほしい、とも思っている。ちょうど袖の裾で、顔を覆った時だった。
「……こんな暗い所に入り込んだら、危ないですよ」
聞き慣れた、低く柔らかい声が薄暗い路地裏に舞い込んできた。せめて何でもない風に取り繕えたら良かったのに―― 袖で覆った顔の、その目尻には薄く涙が滲んでいた。
路地裏に身を潜めた女が何を考えていたのか、下手に語るより雄弁な有り様ではないか。めぐみは咄嗟に理也に背を向ける。
「ねえ、めぐみさん」
名を呼ぶ声に戸惑いは無かった。理也の声色は、あたかも全て分かっていると言わんばかりの深さを湛えていた。
理也はすっかり小さくなっためぐみの両肩にそっと手を置く。理也の体温を近くに感じ、めぐみの頬が知らず熱を持つ。しかし、理也を見返る勇気は持てずにいた。
「遠目に貴女を見つけて、すぐに切り上げて貴女を追ってきたんです」
「そう、……なんですか」
理也にも、理也と話していた女性にも申し訳なくなって、相槌はぎこちなく震えてしまった。
「最近はね、少し淋しく思っていたんです」
(え、)と、思わぬ言葉にめぐみは思わず顔を上げる。落ち着いた声で理也は続けた。
「俺が誰と話していても、平然としていることが増えて……それはそれで、俺への信頼が感じられるようで嬉しかったんですよ」
―― 本当ですよ?
悪戯っぽく微笑む彼の表情が想像できて、めぐみは振り返りたくなったが、涙に濡れて赤らんだ顔を見られたくなって何とか堪えた。
細い肩の形を確かめるかのように、両手で宥めるように撫でながら、理也は語る。
「でもね、久しぶりにめぐみさんの可愛いやきもちが垣間見られて、不謹慎ですけど、少しだけ……嬉しくなってしまいました」
とうとう堪えられなくなって、めぐみは理也へと向き直る。理也は桔梗色の目を優しげに細め、ただただめぐみを見つめていた。その頬は淡く紅潮しているように見えたけれど、雨上がりの夕空のせいかもしれなかった。
「ひどいひと……」
「……すみません」
言葉とは裏腹に理也は悪びれることなく朗らかに笑い、めぐみの両手を取る。互いの息が触れそうな距離まで身を寄せると、小首を傾げながら、めぐみに囁いた。
―― 許してもらえますか?
ずるいです、と。
微かな喜びを含んだ、女のささやかな訴えは、重なった二つの唇の奥に溶けて消えていった。
ひとりごと
月影という作品を愛する人間が多数派でなくとも、私には、月影が魅力ある作品であると強く信じ卑屈にならない心と、ささやかな証明として何かしらを出力しつづける力が必要
それに尽きる
……ということをつらつら考えているあたり、私はガチで月影の鎖の「オタク」なのかもしれない
それに尽きる
……ということをつらつら考えているあたり、私はガチで月影の鎖の「オタク」なのかもしれない
ただ、ぴよログの記録を振り返るに8月下旬~9月初旬はだいぶ気が不安定だったようだ。子にも迷惑をかけている。
10~11日にかけて夫が予約してくれたおやこホテルを利用。広くて綺麗で乳幼児を世話するためのアメニティが揃ってて過ごしやすかった。
ひと月かけてだいぶ気温が下がったので、散歩などに出やすくなり、外に出る頻度も増えた。
下旬、セールに乗じて遙か6を購入。10月上旬に自分基準でコンプした。